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[ 14] ITmedia News:「OSとしてのブラウザ」時代、いよいよ到来か?
[引用サイト]
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0609/21/news042.html
メールはWebメールでチェックし、コンテンツもブラウザ内で作成――OSとしてのブラウザという考え方にぴったりの時代が来ているのかもしれない。 10年余り前、次世代コンピューティングの中心になると大方が予想していたものについての新たな考え方が登場した。OSとしてのブラウザという概念だ。 Webが草創期にあり、ダイナミックに進化していた当時の時代の中で、多くの専門家や大手IT企業がNetscape Communicationsの大成功とJavaの新しい可能性に注目し、OSは重要ではなくなり、アプリケーションはブラウザ用に開発され、主にWeb経由で提供されるようになると宣言した。 10年前にはブラウザはまだかなり原始的なものだったし、圧倒的多数の人がまだダイヤルアップ接続を利用していたため、わたしは当時、OSとしてのブラウザという考え方を支持しなかった。だが、この考え方を非常に真剣に受け止めた人も多かった。その中にはMicrosoftの経営陣も含まれる。 Microsoftがブラウザ戦争に突き進んだのは、Netscapeをねたんだからでも、あらゆるカテゴリーでトップになろうとひたすら望んだからでもない。振り返ってみると、Microsoftは明らかに、Webブラウザが本格的なOSの役割を果たすようになることを心配していた。そうなれば、WindowsはDOSのような地味な位置に追いやられていただろう。 Microsoftは確かにうまくやった。Netscapeを打ち倒し、Webブラウザ市場をほぼ制圧することで、Microsoftはブラウザの重要性を低下させ(同社のブラウザ、Internet Explorerを単にWindowsの機能と呼びさえした)、Webを、ブラウザで見られるものから、アプリケーションと連携するものに変える(とともに、Windowsアプリケーションに大きな役割を持たせる)という計画を進めることができた。 だが、この2年間でブラウザとWebの市場や技術には大きな変化が起きている。その変化が、OSとしてのブラウザという概念の有効性をかつてなく高めている。 そうした大きな動きの1つは、かつてのNetscapeブラウザのコード基盤がまずMozillaとして、続いてより重要なFirefoxとして復活したことだ。真にモダンなWebブラウザとしての実力を広くアピールし、FirefoxはInternet Explorer(IE)の市場シェアを大きく奪った。さらに、Firefoxの成功で、MicrosoftはIEの強化を迫られた。 一方、サービスベースのエンタープライズアプリケーションの成熟が進んだことで、ユーザーは、Web経由で実行され、Webブラウザに提供されるアプリケーションを従来よりはるかに快適に利用できるようになった。また、最近のAjaxの進化に伴い、現在のブラウザベースのアプリケーションは、GUIの洗練度と対話性が高いレベルに達しており、OS上で直接実行されるアプリケーションとほとんど見分けがつかない。 こうした一連の展開はわたしにとっても、OSとしてのブラウザの可能性を信じる十分な材料だ。実のところ、もうわたしはその考え方にかなりなじんでいる。 メッセージングとコラボレーションに関しては、わたしはほぼ100%ブラウザに頼っている。Webメールで自分のメールアカウントの大部分にアクセスし、ブラウザベースのアプリケーションでほとんどのコラボレーション作業を行っている。分析やコンテンツ作成もブラウザ内で行うことが多い。 また、わたしはスプレッドシートの共有や利用のためにGoogle Spreadsheetsというブラウザベースアプリケーションを使っている。このアプリケーションは、会社で使っているLinuxベースのメインデスクトップでも、家のWindows XPシステムでも、Mac OS XベースのノートPCでも、まったく同じように動作する。Google Spreadsheetsに関して言えば、ブラウザはまさにOSだ。 誇張にならないように、こうした変化はまだ始まったばかりの段階であることを補足しておこう。わたしはデスクトップベースのアプリケーションを以前ほど使わなくなったが、日常的に使わなければならない重要なものが、まだ幾つもある。優れたブラウザベースアプリケーションの多くも、ローカルのデスクトップアプリケーションをしばしば併用する必要がある。 しかし、OSとしてのブラウザという考え方は、明らかに復活している。これまで以上に有力になっているのかもしれない。ただしもちろん、ブラウザが本格的なOSのように機能するのは、ブラウザ用のセキュリティアプリケーションが開発されるようになってからだろう。 そういえば、MicrosoftはIEを保護するBrowserShieldに取り組んでいる。どうやらMicrosoftも、OSとしてのブラウザという考え方を改めて信じるようになったらしい。 BrowserShieldはWebページに隠された不正なコードをその場で阻止して削除するフレームワーク。ゼロデイ攻撃に対する対策になるかもしれない。 Gmailが国内でも登録制に移行した。日本はオーストラリア、ニュージーランドに続き、3番目の移行となった。 著作者探せるポータル、09年に開設へ 権利者団体が計画発表著作権保護期間延長を訴える団体が、著作物の権利者情報を検索できるポータルサイトを2009年をめどに開設すると発表した。著作者を探しやすくし、著作物の2次利用を促進するとしている。 腹巻き+キャミソール=ハラキャミ ネットから誕生腹巻きと同様の保温効果があるというキャミソール「ハラキャミ」が、千趣会のECサイトに登場した。女性向けコミュニティーで、冷え性に悩むユーザーの声を聞きながら開発した。 「イミダス」「知恵蔵」休刊 ネットに移行イミダスと知恵蔵が休刊する。ネットで手軽に用語検索できるようになった影響などから発行部数が減少していた。PC・携帯サイトの運営は続ける。 輸入食品と比べ、何割高までなら国産食品を買う?より高級なサービスを受けられるのは?――JAL VS ANA“国内線プレミアム”競争ANA、2007年中に国内線航空券をeチケットに全面移行ウィルコムを買収したカーライルは、ハゲタカそれとも救世主? 東急ハンズもシルク王もドーナツ行列も、みんな銀座にやってくる jobtxt1 += '月収にしたら、3万円も上がることに!答えは、「派遣エンジニア職種別時給トレンド」'; jobtxt2 += 'ITエンジニア2万人の年齢と年収が一目瞭然隣の芝生(年収)は本当に青いのか???';
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[ 15] VAIO type U PDAとしての価値 PDAとしてのVAIO type U - [PDA・スマートフォン]All About
[引用サイト]
http://allabout.co.jp/computer/pda/closeup/CU20040608A/index.htm
「VAIO type U」 は、モバイルとしては伝説の機器「Newton」サイズのノートPCです。PDA的な利用も可能ですので、PDAとして見た「type U」を見てみたいと思います。 「VAIO type U」は、基本的にPDAでは無いので、PDAとして評価してみるのは、少々意地が悪いといえます。「type U」本来の価値とは少し離れてしまうことをご理解の上でお読みください。 ただ、手書き入力となると、片手保持が必要になりますので、30分も保持して使用しているとかなり腕と握力に疲労がきます。 オリジナルの手書き文字入力『NextText』は、先読み変換機能と『Decuma』のような誤入力の再変換機能が搭載されています。 文字認識自体は、PocketPC 2003よりも遅目なので、1文字ずつ認識の確認をしているとかなり効率が落ちます。したがって、誤認識は気にせず複数のマス目に連続して入力し、文字を流れ作業で認識させ、表示される変換候補から選択することで効率良く利用することができます。私は横画面での利用の場合は、縦入力パネルを画面横に表示して利用しています。 縦型の利用では、片手でのPDA的な本体保持となります。これはかなり腕と握力に厳しいといえます。縦型利用では重さの他にも問題が存在します。 幅の大きさが手の小さめに人では握力的に辛く、換気口が長辺の両側面にあることで使用時間が経過するととともに、換気口からの温風により本体を掴んでいる手への負担がますことになります。 縦型としての利用時は、表面パネル上に配置されている左右3つずつの操作ボタンが、縦横表示切り替えに連動して横型から自動に入れ替わります。 これは非常に便利で、縦表示時に表面パネル下側ボタンが右/左クリック、スクロールとなるので、PDA感覚での操作が可能となります。 縦型での利用は、入力などの操作のしやすさという点では横型に勝るのですが、本体の保持は、横型より高い負担となると言えます。 無線LANが利用出来ない場所では、AirH”や@FreedなどのCF通信カードの利用、CFまたはUSBのBluetoothアダプタを利用した通信といったところとなります。 スペック自体は、最新の小型モバイルノートPCと同等ですので、AirH”を利用した通信も接続までの素早さや反応は、PDAで使用するよりもクイック感があり快適です。 通信での問題点は、やはり「type U」の電池稼働時間が非通信時で3時間、AirH”の通信時で1時間半ほどしか無いということです。 1は予備電池の充電と管理が面倒、2はL電池が高いという理由から、私は3を選択しています。そこで他のノートPCでも利用可能な汎用電源(Slim60)を利用してみています。 「type U」の文字認識としては、正直にいえば、PDAの手書き文字認識よりも遅いといえます。1文字毎の認識を待っていては効率よい文字入力は出来ないといえます。 幸い、縦フォームで3マス、横フォームで4マスありますので、これを利用して、入力を連続して行い誤認識は、認識後に修正するとスムーズに入力ができます。 『NextText』は、予測変換候補表示、誤認識修正が搭載されていますので、 『Decuma』+『PoBOX』といった感じとも言えなくも有りません。 手書きメモツールとして面白いのは、デスクトップ画面上にメモ書きができるモードとホワイトボードを下地に差し込んで書けるモードが用意されていることです。 デスクトップを背景とするモードでは、アプリケーションやWEBページ、写真画像などを表示させておいて、手書きでメモを書き、保存ができます。 『PenPlus for VAIO』をみることで「type U」のコンセプトが、まず閲覧ありきであることが理解できます。閲覧してメモをいれたい画面で『PenPlus for VAIO』を起動し、画面上に展開されたレイヤーに手書きでメモを書き込んで、画面やメモを必要に応じて保存するというわけです。 この機能により「type U」は、全てのアプリケーションの画面上に手書きメモを書き込むことができるのです。 メモをいれたい場面で、「PenPlus for VAIO」を起動し、見ている画面の上に、手書きメモをオーバーレイ書き込みする。 クリエの「クリエオーガナイザー」のようにレイヤーを利用している点は似通っていますが、更に全画面のデータ保存まで機能を拡張している点が秀逸といえそうです。 「type U」が閲覧ベースであることのもう一つの特徴として、音声入力のマイク端子が搭載されていない点があります。最近のPDAでは音声メモ(ボイスレコーダー)機能も標準でサポートされているものも多く、音声の入出力をサポートすることは単に音声メモだけでく、インターネット電話やIP電話などの音声コミュニケーションという可能性も広げてくれます。 「VAIO type U」は、無線LANを標準でサポートされており、スペック的には音声通話やボイスメモを利用可能ですが、マイク端子が外されていますので、標準の状態では利用できません。 もちろん音声対応のUSBカメラやUSB音声インターフェイスを利用すれば、USB経由の音声通話も使用できますが、別途購入が必要となるうえ、追加パーツが必要なので取り回しは低下してしまいます。 「VAIO type U」は、閲覧という作業を機軸にして、閲覧中または閲覧後に連携した機能を行うように設計されています。 したがって、現在PDAを双方向のコミュニケーターとして利用されているユーザーにとっては、文字入力、音声入力部分での不満は避けられないということになります。 また、モバイルノートPC並の性能で有るとはいえ、閲覧ベース機器としてチューンされていることから、価格面も割高であることは否めません。これらは、今後の課題でもあるかと思われます。 本来 「type U」は、TabletPCに近い位置にあります。TabletPCという側面からの分析が正当だと思うのですが、今回はあえてPAD的な側面から見るという、「type U」には意地悪なレポートとなっていますが、私の使用しでは「大きさ」と「電池稼働時間」の問題以外は、使い方の工夫などで意外と快適に楽しく使えていることを、最後につけくわておきます。 知るほどトクなケータイ活用法とワザ紹介!世界遺産やワインなど、未知の魅力満載の国本当に満足する家づくりのコツとは?投資信託を理解し、使いこなす方法とは?'; sskyoka_no2_r = '中国大陸からガイド厳選!旬感のお薦め情報中国株は本当に買い?中国の伝道師が指南!お口にこそ気を使おう!それが大人のマナー幹事も参加者も楽しめるイベントできます!'; sskyoka_no3_r = '考えてますか?セカンドライフのおカネ問題今のままエコな暮らしができる方法教えますマンスリーマンションの賢い活用法とは?泥棒に狙われやすい家ってどんな家?';
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[ 16] 「社会の宝」として子どもを育てよう!(報 告)
[引用サイト]
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/007/toushin/020701.htm
最近、児童虐待の増加や校内暴力、不登校といった子どもの問題行動が深刻化しています。こうした問題の背景として、近年の都市化、核家族化、少子化、地域における地縁的なつながりの希薄化等により、親の間に、子育ての負担感や子どもの教育の仕方がわからないといった育児に関する悩みなどが広がっていることが指摘されています。 本懇談会は、こうした状況を踏まえて、平成13年9月に、今後の家庭教育支援の在り方について検討を行い、関連施策の充実に資することを目的に発足し、家庭教育支援に携わっている方々による事例発表を含め、これまで13回にわたって議論してきたところです。また、本年3月には中間報告をまとめ、都道府県や市町村の教育委員会、PTA、経済団体、家庭教育や学校教育に関係する団体に配布するとともに、文部科学省のホームページにも掲載して広く御意見を伺ったところです。 こうした事例発表や議論、中間報告に対する御意見を通じて、今日の子育てをめぐる社会環境の変化により、家庭教育が困難な状況になっていることや、このような状況を背景に、各地で、行政と地域の子育て関係者の連携による家庭教育を支援する取組が少しずつ進む傾向がみられることがわかりました。今後、こうした取組が全国各地で広がっていってほしい、また、そのためには、各家庭、特に父親、企業等職場の関係者、行政関係者、地域の人々を含め、私たち大人一人一人が、それぞれの立場で、この問題に関心を持ち、行動していくことが大切だと感じ、最終報告をまとめました。 子育ては未来の日本を支える人材を育てるものであり、子どもは「社会の宝」であると考えます。今後、このことが子どもを育てる親はもちろんのこと、企業等職場の関係者のみなさんや学校関係者のみなさん、地域のみなさん、そしてそれらを支援する行政のみなさん一人一人に理解され、子どもを育てることについてはみんなが主役なのだという気持ちで、各地域で様々な取組が展開されていくことを願っています。 子育ては、親だけが担うものと思っていませんか。そうではありません。親に、家庭で子どもを教育する責任があることは当然ですが、子どもは家庭の中だけで育つわけではありません。学校や地域の様々な人たちに見守られて成長していきます。また、子どもを育てることは未来の日本を支える人材を育てるものであり、親のみならず、社会の一人一人、みんなが主役なのです。 子育てには多大な努力が必要であり、困難も伴いますが、親にとって子どもの成長は何ものにもかえがたい喜びです。そして、子ども達が健やかに成長することを社会全体で支え喜ぶようにすることが重要と考えます。 近年、子どもを育てている親の間に育児不安が増大しています。家庭養育上の問題として「しつけや子育てに自信がない」と答えた世帯の割合は、平成元年には12.4%だったのに対し平成11年には17.6%に増加しています(図1)。また、児童虐待の問題も深刻化しています。平成12年度の児童相談所における虐待相談処理件数は17,725件であり、前年度の11,631件と比較すると約1.5倍、平成2年度の1,101件と比較すると約16倍となっています(図2)。なお、相談受付件数でみると平成13年度は24,792件であり、平成12年度の18,804件と比較すると約6,000件の増加となっています。また、平成9年度に小学校入学前の第一子を持つ女性を対象に行われた調査では、育児の自信がなくなることが「よくある」または「時々ある」と答えた人の割合が有職者で50%、専業主婦で70%に達しており、育児不安が専業主婦に多い傾向にあることがわかります(図3) 家庭教育は、親や、これに準ずる人が子どもに対して行う教育のことで、すべての教育の出発点であり、家庭は常に子どもの心の拠り所となるものです。乳幼児期からの親子の愛情による絆で結ばれた家族とのふれ合いを通じて、子どもが基本的な生活習慣・生活能力、人に対する信頼感、豊かな情操、他人に対する思いやりや善悪の判断などの基本的倫理観、自立心や自制心、社会的なマナーなどを身につける上で重要な役割を担うものです。さらに、人生を自ら切り拓いていく上で欠くことのできない職業観、人生観、創造力、企画力といったものも家庭教育の基礎の上に培われるものです。 前述のように育児不安や児童虐待が増えている背景としては、乳幼児を持つ若い母親たちの多くが社会との接点を持たずに孤独な育児を行っていることなどによる家庭の教育力の低下、具体的には、子どもとの接し方や教育の仕方がわからない親の増加、しつけや子育てに自信がない親の増加、過保護や過干渉、無責任な放任などがあるのではないかと指摘されています(図4)。 しかしながら、今日の家庭の教育力の低下は、個々の親だけの問題ではありません。都市化や少子化、核家族化、地域の人々とのつながりが減少したことなど、社会の大きな変化の中で、子育てを支えるしくみや環境が崩れていること、子育ての時間を十分に取ることが難しい雇用環境があることなどにも目を向けなければならないと考えます(図5)。 昔の日本では三世代同居型の家庭が多く、親以外に多くの大人が子どもに接し、それらが全体として家庭教育を担っていました。地域の人々とのつながりも今より密接で、人々がどの家の子どもたちも「地域の子ども」として見守り、育てていたものです。そして、子どもたちも地域の大勢の年の違う子どもと接したり、幼い子どもの世話をしたりした経験を豊富に持つなど、子育てを支えるしくみや環境がありました。 ところが、急速な都市化の進展、職場と住居の分離などに伴い、家族の形態や生活様式は大きく変わり、核家族化や地域のつながりの希薄化が進んだ結果、今日では多くの地域において、子育てを助けてくれる人や子育てについて相談できる人がそばにいないという状態が見られます。このため、自分の子育てに対して戸惑いや不安を感じることがあってもそれをなかなか解決できない現状があるとともに、仕事との両立が難しいという状況もあって、子育ての負担が親、とりわけ母親のみにかかるようになってきています。 それに加えて、少子化が進む中で、現在の若い世代の多くは、実生活において乳幼児に接したり、幼い弟妹の子守りをしたりする機会が少ないまま大人になってきています。このため、親の中には、乳幼児とはどういうものか、親として子どもにどのように接したらよいのかがわからないなど、育児不安を持つ親が増えています。また、現在の若い世代の多くは、様々な人と接したり、育児能力につながる様々な体験を持つ機会も、以前の世代に比べると大幅に減っています。さらに、子育てに関する知識や情報についても、親になる前に触れる機会が少なくなっているため、妊娠・出産してからの子育てを育児書に頼り、育児書と現実とのギャップに思い悩む人も少なくないようです。また、子育てに関する情報が氾濫し、混乱をもたらしている一方、親として育つための学習機会は少なく、社会環境もこうした親の現状に即したものとは言い難い状況にあります。 戦後の高度経済成長期は重厚長大産業が中心で、右肩上がりの高い経済成長が続き、雇用形態は終身雇用制、年功序列といった形態が中心で、15歳以上60歳未満の労働力人口も増加していました。労働時間も長く(昭和45年の年間総実労働時間は2,239時間)、特に男性は仕事一辺倒、会社一辺倒という生き方が一般的に見られ、他方、女性は専業主婦として家事・育児を担うという家庭が多く見られました。 その後、経済状況としては、安定成長期に入り、バブルの発生と崩壊を経て、90年代は経済の停滞が続きました。この間、産業構造の転換、雇用形態の変化や少子化が進みました。また、特に若い親の意識の上では、個人の生活や家庭を大切にするといった個人や家庭への回帰が見られるようになってきました。しかしながら、平成11年度の育児休業の取得状況をみると女性は56.4%、男性は0.42%と低い状況にあり、とりわけ男性の取得率が低い状況にあります。また、総実労働時間は減少しましたが(平成12年の年間総実労働時間は1,854時間)、依然として有給休暇等が取得しづらい状況となっています。 今後、少子化が進むことによって15歳以上60歳未満の労働力人口が減少していくことを考えると、労働力人口の確保という観点からも一層の女性の社会進出が予想されます。また、経済の停滞という状況の下では、安定した収入を確保するためにも、家計を夫婦で支えることの必要性も高まっており、職場や家庭における男女共同参画、具体的には、男性、女性双方が家庭生活と仕事、地域活動などとの両立ができるような環境を整えることが必要となっていると考えられます。また、現在、一般に見られる職場優先の社会の風潮や企業等の職場風土を是正することも必要となっています。21世紀の少子高齢社会は、子育ての負担が母親のみに集中する状況が緩和され、男性、女性が共に子育ての責任を果たし、地域一体となった子育て支援が行われることが必要となっていると考えられます。 社会の価値観が多様化する中で、若い世代の就労をはじめとする様々な形態での社会への参画が進み、若い世代の意識も大きく変化しています。このため、意識やライフスタイルの多様化や、世代間の意識のギャップが生じていることも子育て支援の在り方を考える際の重要なポイントです。 また、子育ての目標も確固たるものではなくなっており、現在の若い世代の中には、そもそも子どもを持つことを「人生のリスク」のように考える人さえ出てきています。 このように、「子どもだけを生きがいとした生き方」には共感できない人も多くなっていますし、子育てを終えた世代の人が時代の変化を考慮せずに「自分たちの子育てはこうだったからこうすればよい」といった成功体験のみに基づいた話をしてもあまり理解されません。 さらに、成果重視・効率重視の社会的風潮の下で育った世代は、「プロセスの大切さ」を見落とす人が多いという指摘もあります。 現在の若い世代のライフスタイル・意識は男性、女性ともに多様化しており、それぞれが抱える課題も一様ではありません。 例えば、仕事を持つ男女は子育ての時間の不足に悩み、一方、専業主婦は日々の子育ての中で孤独感に悩む傾向が見られます。また、周囲の人の助けを上手に借りながら子育てをしている親もいますが、母親の中には一人で子育てを抱え込みこれ以上自分自身を追いつめてはいけないというほど頑張っている親や、子育てには全く無関心な親もいます。さらに、離婚や死別等により、仕事と子育てを一人で担っている親や外国から来た親、障害のある親や障害のある子どもを持つ親など、周囲の支えをより必要としている親もいるなど、家族の形態も多様化しており、その状況は様々です。 また、子どもが思春期を迎える頃の親の中には、子どもの教育上の問題と自身の仕事上の、責任の増大や転勤の問題など、子育てと仕事の両面で困難な問題を抱えている人も少なくありません。子どもの発達段階によっても家族が抱える問題は様々ですが、特に近年は、少年非行の深刻化や性や暴力に関する有害情報の氾濫などの問題が生じており、とりわけ、思春期の子どもへの関わり方が難しくなっています。 家庭は本来私的な領域であり、家庭教育はそれぞれの親の責任と自覚に委ねられるべきものです。しかしながら、子育ては未来の日本を支える人材を育てる重要な営みです。また、現代の子育てをめぐる社会状況を踏まえると、子育て家庭の「支え」となる新しい人間関係、家族関係、地域社会をつくっていくことが必要となっています。こうしたことから、「子どもは社会の宝」として、社会全体が家庭における子育てや教育を応援し、支えていくことが求められていると考えます。 そして、親が「子育ては苦しい面もあるが楽しい」と感じ、子どもや親の気持ちが安らぐようにすることや、若い親が過度に緊張せずに、気楽に子育てができるように配慮すること、現代の若い世代が置かれた状況を理解し、多様なライフスタイルや意識に応じた支援をすることが重要です。また、たとえ時間はかかっても親自身による選択や親の自立に対する支援をするという視点が大切ですし、子育ての当事者に軸をおいて施策を進めることが大切だと考えます。 本来、はじめから立派な親がいるわけではありません。子どもの成長を喜びとしたり、苦労して子育てしたりしながら親も成長していくものです。母親や父親が周りの人と一緒に子どもを育て、親として育っていくことで、子どももしっかりと育っていきます。 このため、親と子の成長を社会全体が支えるという考えの下に、地域の子育てを支援する親によるネットワークや地域のボランティア、幼稚園や保育所等を中心とした親のネットワーク、公民館や学校等における子育てサロン、行政による子育てに関する学習機会や情報の提供、相談体制の整備等様々な支援策が進められています。このように、社会があなたの子育てを応援しています。 子育ては、父親と母親の両方に責任があります。それぞれがお互いを尊重し合い、人としての優しさ、暖かさ、厳しさを持って一致協力して子育てを担っていくよう努力することが必要です。 また、子育てに不安や悩みはつきものであり、特に最初の子どもの場合には子育てに戸惑うことはよくあることですので、一人で悩まずに周囲の人や地域の様々な相談機関等に相談することが大切です。そこで、普段から開かれた家庭づくりに努め、困った時にはいつでも助け合えるような関係を築いていくことや、子育てを支援する人たちの言葉に耳を傾けることも大事です。 さらに、公民館等では、乳幼児期や小学校低・中学年、思春期など子どもの様々な発達段階についての理解や親の関わり方などについての講座が開かれていますので、こうした学習機会や地域の様々な子育てのネットワークを利用するのもよいでしょう。 また、平成11年度から乳幼児や小・中学生等のいる家庭に配布されている家庭教育手帳や家庭教育ノートには、家庭での教育やしつけについて様々なヒントとなる内容が盛り込まれていますので、夫婦で子育てについて語り合う際に活用されてはいかがでしょうか。 子どもを育てる上では、過保護や過干渉、あるいは無関心や放任といった極端な養育態度にならないよう心がけていきましょう。そして、子どもの発達段階に応じて例えば次のようなことに気をつけていきましょう。また生涯にわたり健康で充実した生活を送るためには、食生活も大変重要です。 あいさつや早寝早起きなどの基本的な生活習慣を身に付けさせることが大切です。 乳幼児のときに、親が子どもに絵本を読んであげることは、子どもの豊かな心を育むことと同時に、親自身にも心の安らぎを与えてくれます。こうした絵本を通じて親子のコミュニケーションを豊かにすることを目指して、地域の図書館や児童館などでは、子どもの読書活動を推進する団体やボランティアなどが読み聞かせやお話会を開催しています。 また、最近では、乳幼児健診の会場で絵本や読み聞かせのアドバイス集等が入ったパックを、図書館司書や保健師が説明とともに手渡す活動(いわゆるブックスタート活動)が活発になってきています。こうした子どもの読書を推進する取組を参考にしながら、各家庭においても赤ちゃんのときから、絵本を読んであげたりして、親子のふれ合いを深めてはいかがでしょうか。 我が国では、ともすれば母親に家庭教育の責任が委ねられ、父親の存在感が希薄になりがちであり、父親の家庭教育参加が国際的に見ても極めて少ないことが問題とされています(図6、7)。 しかしながら、父親が子どもの教育に関わることは子どもの成長にとって好ましい影響を及ぼすものです。例えば、父と子のコミュニケーションの状況と子どもの社会性について調査した結果(図8)では、父親とのコミュニケーションがよくとれている子どもほど、「弱い者いじめは許せない」、「電車の中でお年寄りがいたら席を譲る」、「小さい子のめんどうをみるのが好き」などと考えている者の割合が高く、子どもが社会性を獲得していく上で、父親とのコミュニケーションが非常に重要であることが明らかになっています。 また、父親は、子育てを担うことにより、子育ての喜びを感じることができることや、父親自身の人間的な成長にもつながることを知ることが大切です。 そこで、父親には、家庭教育における父親の役割の重要性・責任を自覚することを求めたいと考えます。 さらに、父親は、夫婦の関係においても、母親の人格を尊重し子育ての努力を認め、精神的に母親を支えることが、いかに子育てによい影響を与えるかを知ることが大切です。仕事が忙しいときでも、ちょっとした工夫や努力を重ねることにより、夫婦の間や親子の間のコミュニケーションを豊かにすることができるものです。 また、自分の子どもに対してだけではなく、「地域の先生・お父さん・おじさん」として、子ども達との交流等に積極的に参加していくことを期待します。 「お客さん、毎晩遅いんですか。お疲れですね。」深夜、行き先を告げ、乗った途端にウトウトしていた私にタクシーの運転手さんが声を掛けた。「うん。」「大変ですね、親子の対話もありませんな。」「そやな。」彼は、私の小脇に抱えた子どもへの土産を見て言っているようだ。「私も、夕刻から朝までタクシーに乗り、昼は寝る仕事なので、子どもとの会話はほどんとない間に二人の子どもも大きくなりました。そやけど親思いのいい子に育ってくれました。」「ほおー。」「小さい頃から、子どもの読む本・教科書も含めてみんな、子どもの寝ている間に私も読みました。そして、『面白いな』とか『ええ本やな』と感じたことを書いて置いときますんや。また、読んだら良いと思った本を買ってきてはそっと机の上に置いときましてね。それらが、ちょっとは心が通じましたかね。」「運転手さん、ええ話、おおきに。」タクシーに最敬礼して、自宅に入り、スヤスヤ眠る我が子の顔を見て、そばにあった絵本に目をやった。 知人が、単身赴任で一年余りカナダへ行くことに。家族皆でとも考えたが、年老いた両親に幼児が二人なので、とても無理。家族、特に子どもが気にかかります。そんなとき、知人の父親が、「離れていても、心は通じる。自分も若いとき、家族と離れて暮らしたが、毎日のように両親にはがきを書いた。帰ってきたら、父がそれを綴って大切にしてくれていた。今はどこからでも電話が掛けられる。」と自分の経験を話してくれました。それを聞いた知人は、毎日夜8時に、家族に電話を入れ続けました。二人の子どもは、8時前になると、電話の前に座り、「今日は、あのことを話そう。」、「私はこのことを。」と国際電話がまだ高値の時代、子どもなりに話すことを整理し、父の声を待っていました。 それから20年。「家族と最も心のふれ合いが深まった時期だったかも…。」とは知人の言葉。 子どもたちの日常生活では、テレビ視聴の時間がかなり長く、親子の会話や遊びは少ない様子が見られます。 そこで、ある園では、一週間のうちの特定の日をテレビを見ない日として各家庭で決めて、その日は父親にもできるだけ早く仕事を切り上げてもらい、子どもとふれ合ってもらうようにしてみました。 そうしたところ、多くの家庭で、家族でトランプをする、絵本を見る、じゃんけん遊び・ふれ合い遊びをするなどいろいろ空いた時間を工夫しながら楽しむようになりました。こうしたノーテレビデーのように各家庭で実行しやすいことから始めて、子どもとのふれ合いを深めてはいかがでしょうか。 おやじの会「いたか」は、昭和57年に川崎市教育委員会が開催した「父親家庭教育学級」に参加した父親たちにより結成されました。会の名称は、ふだん家にいない父親の姿をたまたま見た子どもが「あっ、お父さん、いたか!」と叫んだ言葉から付けられました。活動内容としては、小学校の"1日講師"として、竹馬、コマ回し、ヨーヨー遊びを行ったり、手製の竹笛や竹ぽっくり等で児童館の子ども祭りや区民祭などに参加して子どもたちやお年寄りとの交流を行っています。 現在は、川崎市内の他のおやじの会とともに、「川崎おやじ連」を組織する一方、神奈川県下のおやじの会のネットワーク「おや懇」の一員としても活動しています。「わが子の父親」から、「地域のおやじ」へと役割を変えながら、地域社会のさまざまな人が織りなすネットの中に子どもたちを巻き込み、様々な体験活動を通して、子どもたちの「生きる力」を育むと同時に、自らも「地域の一員としての生きる力」を育み続け、地域社会の教育力を担い続けています。 子育ては未来の人材を育てる重要な営みです。このため、子育てをしやすい雇用環境を整えることは、未来の日本を支える人材を育てることにもつながります。また、家庭が安定していてこそ仕事に打ち込むことができます。企業等職場の関係者のみなさんが「家庭における子育てや教育は重要な社会的営みである。」との認識の下に、父親・母親でもある社員がもっと子育てに関われるような環境をつくるように努めることが大事だと考えます。 しかしながら、企業経営者や職場の管理者が男性社員に対して一般的に持っているイメージは経済の高度成長期から続いている「企業戦士である父親」像と考えられ、子育てに積極的に関わりたいという意欲を持つ父親に対する理解は少ないのではないでしょうか。そこで、企業等職場の関係者のみなさんは、父親・母親でもある社員がもっと子育てに関わることができるよう、労働時間の短縮に努めてはいかがでしょうか。また、日本特有の通勤事情などから拘束時間も考慮して、個々人の希望に応じた働き方ができるようにするといった観点から、フレックスタイム制、在宅勤務などの積極的な導入を検討してはどうでしょうか。 また、企業が所有する施設を社会貢献活動として親子が一緒に参加できる行事に提供するといった協力や、「家庭の日」、「子どものための日」等を設けたり、「子どもの職場参観」を実施したりするなど、具体的な家庭教育、地域活動等への支援を行うなどの協力も考えられます。 厚生労働省では、仕事と子育てが両立できる様々な制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるようなファミリーフレンドリー企業を表彰する制度を設けています。 (平成13年度にファミリーフレンドリー企業として厚生労働大臣優良賞を受賞した日本電気株式会社(NEC)の場合) 育児休業は子どもが1歳になった後の年度末まで取得することができ、育児のための短時間勤務制度は小学校入学まで利用することができます。また、育児に伴う在宅勤務制度の整備や、小学校3年までの育児に利用することができる育児クーポン(在宅保育サービス割引券)制度等を行っています。 さらに、社内電子メディアにより育児に関する制度の利用マニュアルを提供するなど、制度の周知、利用促進に取り組んでいます。 平成14年4月からは、従来の医療看護休暇制度を拡充し、子どもの授業参観、保護者会、PTA、運動会等の学校行事や生涯学習支援等のボランティア活動に参加するためにも有給の休暇が取れるファミリーフレンドリー休暇制度を開始するなど、社員の家族、地域や社会との共生を図り、個を尊重する企業風土の醸成に努めています。 多くの地域では、従来型の地縁に基づいた「地域」というものが十分機能しなくなっていることから、どの地域でも、子育て支援や人の輪づくりを進める中心となる「場」をつくっていくことが求められます。また、若い世代には人間関係のつくり方を苦手としている人が多いので、上手にリード(サポート)していく人が必要であり、それが地域一体となった子育て支援の成功の鍵になると考えられます。 また、地域によっては、子育てに関する話し合いの場としての子育てサークルやスポーツ少年団、青少年団体などの各種団体の活動が市町村全体に広がりを持ち、地域一体となって人づくり・子育てに取り組もうとする活動が広がりつつありますので、こうした様々な団体同士が横のつながりを深めていくことを期待します。 また、子ども同士で教え合う子どものルールもありますが、今の子どもは集団で遊ぶ経験を持ちにくくなってきています。このため、近年、各地域では、行政の協力を得るなどして「プレイパーク」などの子どもが自由に遊べる場をつくり、子どもが異年齢の子どもや自分の親以外の様々な大人と関わる機会を設けるようになってきています。今後、こうした子どもが自由に遊べる場づくりを進めたり、子ども自身の参画を促し、一緒に計画しながら地域の活動を進めたりすることを期待します。 さらに、「地域のお父さん、お母さん」として、地域の子どもを見守り、育てていくことも大事な役目であり、子育て現役世代であるPTAや子育てを終えた世代の人々があらゆる活動の場に積極的に参加するようになることによって、地域一体となった子育ての機運が高められることを期待します。 兵庫県で行われている、中学生に様々な体験活動を行わせる「トライやる・ウィーク」のように、子どもたちが地域の人々の協力の下で一定期間、商店や会社、福祉施設等で職場体験活動やボランティア活動等を行う取り組みが、近年、進んできています。このように、特に思春期の子どもに地域で様々な活動を体験させることは、子どもたちの「生きる力」を育成する上で重要であるとともに、このことが、地域の子どもは地域で育てるという意識の醸成や体制づくりにもつながると考えられます。 文部科学省では、平成14年度からの完全学校週5日制を契機として、「新子どもプラン」を策定し、地域の人々の協力を得て、子どもたちの放課後や週末等の様々な活動支援やボランティア活動等の奉仕活動・体験活動の総合的な取組が進められていますが、このような施策が展開されることにより、地域ぐるみでの活動の輪が全国各地で広がっていくことが期待されます。 さらに、地域の中で児童虐待が疑われるような家庭がある場合には、速やかに児童相談所等に通告し、早めに専門の機関による対応が行われるようにすることも大切であり、こうした関係機関とともに地域ぐるみで様々な困難を抱えている家庭を支えるように努めてほしいと考えます。 未来の親を育むという観点から、小・中学生や高校生の保育体験は男女を問わず児童生徒にとって非常に有益な体験となります。このような取組は、乳幼児の親にとっては、地域の小・中学生や高校生とのつながりができることで子育てについての見通しを持てるようになるなどの点でも意義があると考えられます。今後、学校関係者や地方公共団体が、家庭科や生活科、総合的な学習の時間、夏休みなども活用して、男女ともに小・中学生や高校生等の若者の保育体験の推進を図ることを期待します。 また、幼稚園においては、地域の「親と子の育ちの場」として、子育て相談や未就園児への園開放、地域の人と一緒に楽しむ活動の場づくりなどの子育て支援活動が行われ、保護者同士の子育ての学びの場となっている例も進んできており、今後、こうした取組が増加していくことを期待します。 さらに、幼稚園・保育所や小・中学校に子育てについて語り合う場を設置するなどの取組を進めることも期待されます。 なお、学校の教職員は、児童虐待が疑われるような場合には、速やかに児童相談所等へ通告し、児童虐待の早期発見・早期対応に努めることが必要であり、こうした関係機関と連携を図りながら様々な困難を抱えている家庭を支えることが大切だと考えます。 文部科学省と地方公共団体は、家庭教育支援を21世紀の教育行政の重点課題として、予算措置を含め施策の充実を図ってほしいと考えます。 しかしながら、家庭教育支援については、行政の取組だけでは限界があり、直接子育てに関わっていない大人も含め、市民一人一人の活動、子育てネットワーク、サークル等の主体的な活動を基盤として、その連携の下に共同して取り組んでいくことが不可欠です。そうした観点で、子育てを社会全体で支えていくこと、いわば「子育ての社会化」を促すための機運を醸成していくことが必要です。 「子育ての社会化」を図るためには、社会全体の課題として、家庭における子育てや教育の問題点についての意識を共有することが必要ですが、現状は、親世代の未熟さの指摘に偏っている感が否めません。このため、行政関係者や企業等の関係者については研修の実施等により子育ての現状についての理解を深め、意識を変えていくことが望まれます。 特に、公民館の家庭教育学習の拠点としての役割は極めて重要です。このため、文部省(当時)は、平成12年に各都道府県に対して、文書で、全国の公民館で家庭教育に関する講座・事業をあまねく展開することや、子育てグループ等が公民館を使用する場合の格別の配慮をすること、家庭教育に関する情報収集・提供・相談を充実することなどについて依頼したところです。 また、昨年社会教育法を改正し、教育委員会の事務として家庭教育に関する学習機会を提供するための講座の開設等の事務を明記し、また、子育てサークルのリーダー等を社会教育委員や公民館運営審議会の委員として委嘱することができるようにしたところです。 こうした取組の結果により、現代の親世代のニーズに合った講座や事業が提供されるなど家庭教育支援の取組の充実が図られつつありますが、まだこうした改善が図られていない公民館については、今後、取組の改善を図ってほしいと考えます。 また、子育てや、子育てをしている親への無理解は、社会の目が、現実の子育てに向けられていないことも一因と考えられます。このため、文部科学省と教育委員会は、社会教育関係の事業が子育て中の親に門戸を広げ、子ども連れでの参加(保育付き、または子ども連れの参加を許容する。) さらに、現在求められている家庭教育支援のための事業は、これまでに実施されてきた学級・講座等の社会教育関係の事業とは大きく異なる要素を持っています。すなわち、意識やライフスタイルが多様化し、子育てを終えた世代とは意識の上での大きなギャップが存在する若い世代の親を幅広く支援することが求められていること、こうした親を対象とする施策を実施するためのノウハウが十分蓄積されていないといったことです。 このため、地方公共団体が実際の事業を地域において効果的に展開するための基盤の整備や先進的な事例の紹介等の支援が求められますので、文部科学省や国立女性教育会館、地方公共団体が、子育てネットワークの構築や各種事業を展開するためのサポートの機能を強化することを期待します。 国立女性教育会館では今年度から子育てネットワークやサークルの関係者を対象とした情報交換や意見交換を行う研究協議会を開催していますが、今後、文部科学省や国立女性教育会館、地方公共団体が、そうした研究協議会やホームページ、広報誌等を通じて、家庭教育支援の情報を提供し、各地の取組事例や研究発表を行う経験交流の機会を充実していくことが望まれます。 家庭における子育てや教育の支援については、厚生労働省が、主として母子保健や福祉の向上を図るといった観点から施策を講じているのに対し、文部科学省は、家庭の教育力の向上を支援するという観点で施策を講じています。また、文部科学省による家庭教育支援については、地域における親子の「学び」を支援するという面に重点があるという点に特長があると考えられます。 これまで、両省は、例えば、「家庭教育手帳」を母子健康手帳の交付時や1歳6ヶ月児健診、3歳児健診の実施時等に市町村の保健センター等を通じて配布しているとともに、昨年度から実施している「子育て学習の全国展開」事業においては、市町村の保健センター等で行われる乳幼児健診の場を活用した講座を開設したり、講師を児童相談所の関係者や医師に依頼するなどの協力を図ってきています。さらに、最近は、「文部科学省・厚生労働省連携協議会」等が開催されて緊密な連携が図られていますが、今後両省の連携をより一層強化していくことが求められます。 今日、家族が多様化し、価値観や親の意識も多様化していること、家庭教育支援や子育て支援のための施策には現在、市区町村間に大きな格差がみられることを踏まえますと、今後、両省がそれぞれの手法で多様な家庭に対応していくことが重要と考えます。 また、各地方公共団体において、教育委員会が、母子保健・福祉関係の施策を担当する部局との連携を一層強化していくことが重要であることは言うまでもありません。 家庭教育の充実のために今最も重要なことは、社会全体が「人づくり」、「子育て」、「家庭教育」等について共に考え、行動していくことです。そのためには、親だけではなく、高齢者、これから親になる世代の若者、企業経営者等も含め、大人社会の一人一人が家庭における子育てや教育の充実に向けた「意識改革」を行い、できることから行動に移していかなければなりません。また、今年度から実施された完全学校週5日制の趣旨なども踏まえ、親と子が十分にふれ合えるよう、家庭における子育てや教育の充実のための、家庭、学校、地域、職場、行政が一体となった取組を推進することを期待します。 近年、地方公共団体では、毎月一回の日曜日を「家庭の日」、「子どものための日」などとして、市民に広報したり、施設を無料開放するといった取組が行われるようになっています。今後、地方公共団体が、そうした取組を進め、地域の様々な団体の活動を一層促進・支援し、個々に行われているそれぞれの活動の連携を図ることにより、地域全体で取り組む子育て支援活動となるように支援することを期待します。その際、家庭にいる女性の中には様々な力を持ちながらその力を活かしておらず、地域で何かの活動をしたいと考えている人も多いので、地方公共団体は、今後、こうした、子育て経験の豊かな人達の力を借りていく工夫をすることも考えられます。 このように、地方公共団体は、行政組織のみで対応するのではなく、地域、企業等での取組を支援し、共に取り組む社会的なサポートシステムを構築することを期待します。 また、「家庭教育」という言葉が、本来、基本的な生活習慣や社会性を子どもに身につけさせることを意味していることが一般の人々に十分浸透しているとは言えません。そこで、文部科学省や地方公共団体が、テレビ、新聞、広報誌等を活用しながら、親が自ら家庭教育の在り方を見つめ直すことや、各地の家庭教育支援のための取組への参加を促すメッセージを送ってほしいと思います。 地域の親を中心とする子育て関係者から構成される子育てネットワークが市区町村単位でできていくことが家庭教育支援の受け皿となっていくと考えられますが、子育てネットワークの形成の状況、社会教育行政の支援の状況については、現状としては地域間でかなりの格差があると思われます。 現在、文部科学省は、「子育て支援ネットワークの充実」事業において、市区町村が、親に対して気軽に相談にのったり、きめ細かな助言等を行う「子育てサポーター」の配置や養成を行う事業や、公民館や学校の余裕教室等を活用した子育て支援の交流事業等に対して助成しています。 今後、文部科学省と地方公共団体が、子育てネットワーク関係者との連携を図りつつ、公民館や学校の余裕教室等の活用、公民館の職員などの支援の充実、子育てサポーターの数の大幅な拡充を図ることなどにより、市区町村の子育てネットワークの形成の支援に一層力を入れることが望まれます。 また、「子育てサポーター」は親に対する助言のほか、子育て支援の交流事業の企画・実施をはじめとする子育てネットワークの様々な活動を担う人材です。このため、今後、文部科学省や国立女性教育会館、地方公共団体は、「子育てサポーター」の養成について、親に対する助言という役割のほか、次世代のサポーターの育成、サポーターの活動のコーディネート、子育てネットワークの運営などの役割に応じた養成が行われるようにするための研修計画の作成と提供に取り組んでいくことが求められると考えます。 さらに、子育てネットワークやサークルの関係者と社会教育行政の関係者との連携による家庭教育支援を強化することが重要です。国立女性教育会館においては、今年からホームページで子育てネットワークやサークルの関係者のための掲示板を立ち上げたところです。今後、文部科学省や国立女性教育会館、地方公共団体が、父親・母親の子育てネットワークやサークルなどの実態を調査し、それらのデータベースを作るとともに、ネットワークづくりの方法や行政によるネットワークに対する支援の在り方、ネットワーク関係者と行政との連携の方法などを調査研究し、情報提供の充実を図ることにより、草の根の子育て支援活動への支援やこうした活動の関係者と行政との連携の強化を図っていくことが望まれます。 近年、子どもたちに社会性や思いやる心など豊かな人間性を育むために、学校や地域における様々な奉仕活動・体験活動の取組が進められてきています。 前述したように、特に最近は子どもへの接し方がわからない親が増加している状況にあることを踏まえ、小さい頃から、乳幼児と接したり、幼い子どもの世話をする機会を持つことが大切となっています。 今後、文部科学省は厚生労働省とも連携して、児童生徒が乳幼児とふれ合う場が増えるよう努めていくことを望みます。 出産から1歳6ヶ月、3歳、小学校入学時、思春期といったように、子どもの発達段階に応じて子育てのことを学習していくことは子育て学習として有意義だと考えます。 文部科学省では、平成13年度から「子育て学習の全国展開」事業として、就学時健診(小学校入学前に実施)や乳幼児健診(1歳6ヶ月健診、3歳児健診等)の機会を活用した家庭教育の講座を全国的に実施するための助成事業を開始し、さらに平成14年度からは妊娠期の講座と思春期の子どもを持つ親のための講座を全国的に実施するための助成を行っているところです。 今後、文部科学省と地方公共団体が、健診等の機会を活用して、すべての親が家庭教育の講座に参加できるような機会を設けることが望まれます。また、地方公共団体は、参加者に対してアンケートを実施するなどにより、参加者の希望・意見を十分に把握するように努めるとともに、講師の選定方法や講座の設定方法(参加型にする、受講者同士のコミュニケーションの時間を取るなど)、場所の選定等に工夫をすることが求められると考えます。 なお、乳幼児健診に参加すると子どもの発育の問題を指摘されるのではないかと不安に思う親もいますので、親を安心させるよう十分に配慮してほしいと考えます。 子どもが0歳から1歳頃の子育てが最も孤独でつらいという人が多いので、そうした人がごく身近に人とふれ合ったり、学んだりできる場、出かけられる場が求められています。 近年、各地で、そうした親のニーズに応えるため、子どもと手遊びなどしながら、同じような年齢の子どもを持つ親や先輩の親と話ができる場としての「子育てサロン」や「子育て広場」が公民館等の公共施設を中心に設けられています。こうした「子育てサロン」等には、従来行われていた家庭教育学級のような学習機会を求める親に限らず、多様なニーズや価値観を持った親が来ています。しかしながら、こうした学習形態についての社会教育の関係者の理解がまだ十分ではないことが指摘されています。 今後、社会教育の関係者がこうした学習形態に対する理解を深め、「子育てサロン」等が全国各地域に設置されるよう支援していくことを期待します。 子育てについての悩みや不安に対応するため、最近、地方公共団体の中で、家庭における子育てや教育関係の情報の提供や相談等を行うためのホームページを開設するところが増えています。地方公共団体が、今後、マスコミ、ミニコミの双方によるこうした情報の発信に努めていくことを期待します。 また、家族形態が多様化する中、「ひとり親家庭」や「職業を持つ親」、家庭教育に重要な役割を果たす「父親」など、家庭教育に関する学習機会に参加することができにくかった層に焦点を当てて学習機会の提供を行うことも大切です。今後、文部科学省と地方公共団体は、土曜日・日曜日に子育てサロン等を開き、そこで家庭教育に関する講座を提供するなど、平日の夜や週末の学習機会の提供に努めることを期待します。 「学校の保護者会や学習会などに是非参加してほしいにもかかわらず、参加してもらえない」といった親に対する効果的なアプローチを行うことが大切だと考えます。 このため、今後、地方公共団体が、家庭教育という視点からの地域づくりを目指し、これまで手が届きにくかった人々に働きかけるといった、「戸口まで届く、心に迫る」取組を積極的に進めていくことを期待します。具体的な方法としては、行政、学校、母子保健・福祉関係者、地域団体・サークル、ボランティアの連携により家庭教育のサポートチームを形成したり、幼稚園・保育所や小・中学校をはじめ、地域の公民館等にも「子育て語り合いサロン」のような場を設けることにより、保護者リーダーの養成と保護者の輪を拡大することが考えられます。 また、今後、共働き家庭と潜在的な共働き家庭が増加することを考えると、家庭教育の支援に当たっては、共働き家庭の子育ての在り方や子どもへの接し方といった内容とともに、仕事と子育ての両立方法や仕事への復帰の仕方など職業生活についての見通しも踏まえた支援が重要になります。 このため、地方公共団体は、家庭教育の面で課題を多く抱える保護者や家庭教育に関する学習機会に参加することができにくかった層等に効果的に働きかけていくため、身近な地域の中で様々な子育てについて語り合う場の開設やインターネット等のITの活用による情報発信、企業等の協力を得た職場での取組を充実していくことが望まれます。 また、家庭教育に関する講演会や学習会に参加できない親も、子どもと一緒の行事には参加することが多いので、今後、親子で一緒に参加し楽しめるような取組を充実していく中で家庭教育について考える機会を設けていくことも有効であると考えます。 文部科学省では、一人一人の親が家庭を見つめ直し、それぞれ自信をもって子育てに取り組んでいく契機となるよう、平成11年度から、家庭教育手帳を市町村の保健センターなどを通じて妊産婦や乳幼児を持つ親に配布し、家庭教育ノートを小・中学生等を持つ親に配布してきました。 また、最近は、公民館や学校の家庭教育学級やPTA主催の学習会、子育てサークル等での利用が進んできています。 家庭教育手帳、家庭教育ノートの内容は充実していると考えていますが、今後、さらに、内容や名称等の改善を図ってみてはどうでしょうか。特に、乳幼児期の子どもを正しく理解し、この間の家庭教育を適切に行うことが重要であるにもかかわらず、この時期の子どもに対する接し方がわからない親が増加していることから、親になる前の親になるための学習、乳幼児期の子どもを正しく理解するようになるための学習が重要になっています。また、思春期の子どもへの関わり方が難しくなっています。今後、文部科学省は、これらの点を踏まえた内容の充実や、子どもの発達段階ごとに分けるなどの改善を検討してはどうでしょうか。また、各地域で活用するための工夫ができるものになるよう見直すことも検討してほしいと思います。 地域で高齢者等に「地域の先生」として子どもたちに地域のルールを教えてもらうといった取組は意義あることであり、また、高齢者等の生涯学習の活動にもなると考えます。また、地域と学校との連帯感を醸成するという点で、保護者や地域の人々の目が学校に向くようにすることは意義があると考えられます。このため、地方公共団体は、今後、学校の余裕教室をふれ合いルームとして活用したり、学校給食における「ふれ合い給食」や「自由参観日」、「校庭・園庭開放」、「図書館・図書室の開放」など、安全管理に十分配慮した上で小・中学校や幼稚園・保育所等の持つ機能や施設を開放し、子どもたちが高齢者をはじめとする地域の様々な人との出会いや交流ができるような取組を促進することを期待します。 また、幼稚園・保育所において、父親・母親に「お父さん先生、お母さん先生」という形で参加してもらうといった取組は、親の特技や経験を活かすと同時に、我が子だけでなく、様々な子どもとのふれ合いを通して子育ての楽しさを実感したり、接し方を学ぶ機会になっています。また、降園後の園庭開放は、地域の乳幼児を持つ親が気軽に自由に参加できる場として利用されていますので、幼稚園・保育所の関係者が、今後、こうした取組の充実を図ることを期待します。 また、市町村等の関係者は、既存の民間団体の仕組みをもっと有効に活用することが望まれます。例えば、団体に参加する子どもの年齢によって、乳児、幼児、小学生といった部会に分けていくことで、継続して見守り合う仕組みをつくってはどうでしょうか。また、団体に入ることで、より一層ファミリーサポートセンターや育児相談などの地域の子育て支援の情報も入手しやすくし、「ちょっと困った時に子どもを見ていてくれる仕組み」、「ちょっと困った時に相談できる仕組み」に誰でも参画しているようなシステムを構築することを期待します。 京都市内のある小学校では、「図書室の本をパソコンで探せるようにすれば、子どもはもっと読書に親しめるのでは?」との保護者や先生の声から「学校図書館の情報センター化」がスタートしました。特色ある学校づくりのための特別予算で教育委員会もバックアップしました。大変なのはバーコード化で、夏休み前、100名を超えるボランティアの保護者や先生たちが大集合。バーコードを貼り、パソコンに入力・分類するお父さん、お母さん。もちろん子どももお手伝い。1ヶ月をかけ新学期直前、ついに完了。図書室に来る子が3倍に増えました。土曜日には「読みサタ」として、PTAが自主運営での開館をしており、いつも親子で大賑わいです。 地域の中で子育て支援の必要性を感じて、自分が何かできるのではないかと思っている人やグループは必ずいると考えられます。そこで、地方公共団体がそうした人達のネットワーク形成の動きに刺激を与えて、支援することが大事だと考えます。 特に、子育てネットワークや公民館の関係者は、公民館等が子育てネットワークを支援する場合の留意点として、最初は手取り足取り手伝いながらも、徐々に親達が自主的に運営できるようにすることが大切であると指摘しています。また、子育てネットワークを形成していくためには、進んでやる気のある人、失敗してもまた挑戦するという人を大事にしながら、リーダーになれそうな人を個別に見出して育成することも大切だと指摘しています。こうした指摘を踏まえ、公民館の職員は、お膳立てをし過ぎず、ネットワークの関係者の努力を認めて尊重することに心がけるとよいと思われます。 また、行政の関係者は、各地の子育てサークルの情報を集めることも大切です。 子育てネットワークの関係者は、ネットワーク活動が継続している一番の秘訣は「学びがある」ということであり、達成感を感じられることも大事だと指摘しています。 また、地域に開かれたネットワークであることが重要であり、中心になる人が常にこのことを意識していることが大切です。また、犠牲的精神ではなく、親自身が楽しみながら、ネットワークの活動を通じて社会に参画していく力をつけていけるよう意識することや、ネットワークの形成や維持のために近隣の地域で刺激し合うことも大事なことであると指摘しています。 さらに、ネットワークを実際に組織してきた情報を普及することは有益だと思われます。また、ネットワークの運営を継続的に支えていくためには、中高年世代の人達の支援を求めることを考えてはどうでしょうか。 地方公共団体や子育てネットワークの関係者が、子育てを終えた中高年世代の人に子育てサポーターを依頼する場合、サポーター養成講座のプログラムにおいて、母親を取り巻いている状況の違いなど今の子育ての困難さを理解してもらうようにすることが大切です。 地域の子育てネットワークの会長に勧められて「子育てサロン」の子育てサポーターとして活動を始めました。 「子育てサロン」という場で、同年代の子どもを持つ親と悩みを打ち明け合うと、子育ての不安も解消し、悩んでいるのは自分だけではないんだ、と気が楽になります。「子育てサロン」は、公民館の講座などと異なり、開催期間や定員の制限がありません。また、メンバーが固定した子育てサークルの場合とは異なり、休みづらいこともありません。「子育てサロン」は毎月一回、定員なし、出欠自由で束縛なし。予約も必要なく、ふらっと気軽に参加して、いろいろな人と話をできる、という点で子育て中のお母さんにぴったりなのではないかと思います。 第一子のときは周りに知人が全くいなくて、友達もできず、公園に行くのも必死という感じでした。そのときに「子育てサロン」があったらとしみじみ思います。 自分の子育ての経験や反省を活かして、何か手伝えることがあったらと思って子育てサポーター養成講座を受講しました。 自分が子育てしていた頃は、右を見ても左を見てもみんなが子育てしており、お互いに子どもを預けたり、預かったりすることは当たり前でした。一人ではなく、地域のみんなで子育てをしていた感じだったので、自分は「子育てが大変だ」と思ったことは一度もありませんでした。今は地域に子どもがポツン、ポツンとしかいないため、昔より子育てしにくい環境になっており、そういう点でも子育ては大変だろうなと思います。 子育てサポーターとして活動していて、自分たちの世代から今のお母さんの世代を見ると、やはり忍耐力がないように思います。そういうふうに育ててきたのは、自分たちの世代の母親なのですが・・・。親になったからには、親としての自覚をもう少し持ってほしいと思います。 父親は子どもとふれあう具体的な活動や父親を対象とした家庭教育学級等をきっかけとして家庭や地域に参加することが多いものです。そうした活動を通じれば父親の家庭教育への参加も継続するので、地方公共団体等の関係者がそのような活動機会の提供を工夫することを期待します。具体的には、父親自身による「お父さんの子育てサークル」をPTA活動などから地域へと広げネットワーク化していくことや放課後児童クラブにおける活動などの夜間や週末の活動への参加などにより、親子一緒に行動する機会や父親自身が楽しく交流できる場を工夫し、それらを通じて得た経験や人とのつながりを家庭教育に活かせるようにしていくことが大切と考えます。 これまで、市町村や学校の関係者は、家庭教育手帳・家庭教育ノートを配布する資料として意識していた面があります。このため、今後は、「配布する資料」から「活用する資料」へと発想を転換し、これらを親に配布する際にビデオ等を用いた説明会を行うことなど、より多くの家庭で子育ての際のヒント集として手にとって活用されるようになるための工夫をすることが望まれます。 また、今後、市町村や学校の関係者は、これらの内容を様々な広報誌等で取り上げたり、各地域の子育て情報誌に転載することや、各種の学習会等でより積極的に活用していくことが望まれます。
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